コラム

お金を得ることだけが副業ではない

染谷昌利

副業と言うとどうしても副収入というイメージが強くなります。

ですが前項「副業禁止の会社でも準備はできる」でも書いた通り、自分の主業務とは違ったジャンルの業務を学べたり、出会う機会が少ないジャンルの人とプロジェクトを一緒に進めたり、本業では味わうことができない経験を得ることができることも副業の大きなメリットです。

副業には収入を得るだけでなく、他に3つのメリットが有ると考えています。それは「スキルアップ」「人脈構築」、そして「リスクマネジメント」です。

副業で得られるスキル

スキルアップについては何度も書いていますが、本業以外の能力値を向上させる機会が数多く存在します。

私は特に情報発信力というスキルを身につけることをお薦めしていますし、例えば営業を主業務としている人がウェブサイトのデザインやプログラムを学べば、近い将来、社会の主軸になってくるであろうバーチャルリアリティや人工知能(AI)の知識を得ておけば、クライアントに新たな提案ができる可能性もあります。少なくとも話のネタにはなります。

副業によって、本業で得られない経験を積むことで、本業の場でも必ず役に立ちます。

副業で得られる人脈

人脈構築も同様です。

自分が動かない限り、新たな出会いは生まれません。会社内という限られた環境での知識と、複数の業界の人間と情報交換して得た知識はまったく違います。あなたの得意分野を提供することで、相手はあなたのことを信頼し、関係性は深まっていきます。

私の得意分野は「情報発信」です。

さまざまなイベントや情報交換会・異業種交流会で、企業や地方自治体、美容室などの店舗経営者、個人事業主など数多くの人と会ってきましたが、情報発信が得意という人はほとんど居ません。多くの団体や個人が自社・自分のPRに困っているのです。その場でできる限り価値を提供することで、信頼関係が生まれ、その後の仕事に繋がることも少なくありません。

とはいえ、最初から強引に仕事を獲得しに行く必要はなく、まずは信頼関係を積み上げていくことで、人脈は太く強く、そして広がっていきます。

副業によるリスクマネジメント

そして忘れてはならないのがリスクマネジメントです。

いま勤務している会社がいつまでも存続している保証はありません。業績が安定している間に、自分のスキルを向上させたり、人脈を広げておくことで、万が一、会社が倒産した場合へのリスクヘッジになります。

シャープや東芝の例を見れば明らかで、現在の社会で絶対に安全ということはありません。ブラック・スワンはどこかに潜んでいます。突如として働き先がなくなってから転職先(収入源)を探すのと、事前に準備していた人とでは気持ちや金銭面の余裕度は大きく変わります。

副業=副収入という目先の話ではなく、自分の将来を豊かにするための選択肢を増やすという思考で本書を読み進めてみてください。

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