副業禁止の場合

副業禁止の会社でも準備はできる

染谷昌利

副業が認められている会社であれば、自分の意欲さえあれば副業を開始することができます。ですが、現状の日本で副業解禁している会社は少数です。

一般的に「本業以外の仕事で収益を得ている業務」ことを副業と認識されていますが、実は法律で「副業」に関して明確な定義はありません。会社規定や就業規則によって、本業に影響が出る恐れがあるため副業を禁止している会社が大半です。

そもそも会社規定は厚生労働省が公開している”旧“モデル就業規則内で記載されていた、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を参考に作られている場合が多く、厚生労働省がモデル就業規則を改定したように、何十年も前に作られた会社の就業規則も改訂の時期が訪れているわけです。

時代の変化により会社に隠れてこっそりと副業に取り組む人もいるでしょうが、就業規則を気にして二の足を踏んでいる人が大多数ではないでしょうか。とはいえ、会社の方針変更を待たなくても、行動に移せることはたくさんあります。副業は「本業以外の仕事で収益を得ている業務」を指しているとすると、収入を得ていなければ副業には当たりません。単なる趣味の延長線上になります。

お金ではなく、自分自身の信用度を向上させる、会社外の人脈を増やすという点にフォーカスして、在職中にやっておきたい4つの行動をご紹介します。

情報発信力を鍛える

現在はブログやSNSなど、個人が気軽に情報発信できるツールが増えています。情報発信力を高めておけば自分が商品やサービスを開発した際に、直接、顧客層に情報を届けることが可能になります。

いくら良い商品を生み出したとしても、誰もその存在を知らなければ意味がありません。そして売上にも繋がりません。独立開業した人の多くが情報発信力を身に付けておらず、広告などの経費に大切な資金を使わざるを得なくなっています。

自分自身で広告以上の情報発信力を保有していれば、広告にかかるコストを大きく削減することができます。

自分の商品が無かったとしても、ブログやSNS、YouTubeなどでアクセス・視聴数を集めることができていれば、そこから収益を得ることは容易です。アフィリエイトと言われる成果報酬型広告や、クリック数に応じて報酬が得られるクリック報酬型広告など、ブログ運営で生計を立てることも可能な世の中になっています。

さらに、情報発信に困っている企業は星の数ほどあります。あなたの回りにもホームページは作ったものの、まったく集客に結びついていない企業はありませんか?あなた自身がインターネットでの集客方法を理解していれば、その知識を提供し、報酬をもらうことも考えられます。

実名で自分のメディアを運営する必要もありません。匿名でも情報発信の方法を学んでおくことは、絶対にあなたの力になります。収益化は会社のルールが変わって副業解禁されてから堂々と始めれば良いわけです。

自分を中心としたコミュニティを運営する

コミュニティというとあまりイメージが沸かないと思いますが、要は自分を中心(リーダー)としたグループを意味します。グループのテーマはキャンプサークルのような気軽なものでもいいですし、マーケティング研究会といった意識高めなものでも構いません。

リーダーと言っても堅苦しいものではなく、一歩先を行く人というイメージです。そして全能である必要もありません。私は複業にまつわる手段であるインターネットの収益化、オンラインショップ運営、講演、出版などに関しては専門知識を有していますが、イラストは得意ではありません。経理的な仕事もできれば誰かにお願いしたい業務です。このように自分の得意分野で、回りの人間(メンバー)に価値を提供できれば良いと考えています。

メンバーとはリーダーの理念に共感した、学びたい、仲良くなりたい、理由はなんでも構いませんが、一つの目標に向かって一緒に歩いている「仲間」と認識していただければと思います。

コミュニティ内のリーダーとメンバーの関係は、売り手と買い手ではありません。同じ方向に向かって一緒に歩む仲間です。リーダーが理念を語り、一つ上のステージに行くために必要な情報(商品)を提供することで、みんなで成長できて楽しいという「場」を生み出すことができます。

定期的な勉強会で情報発信を学ぶ、FacebookなどのSNSで質問に回答する、バーベキューなどのイベントで交流を図る、などなどコミュニティの運営スタイルは人それぞれです。一緒に成長するために、楽しむために必要なもの(商品)を提示するだけで、共感してくれるメンバーは買ってくれます。課金ポイントをどこに設定するかだけの話です。もちろん無料で情報提供するだけでも構いません。その場が居心地良ければ仲間は残りますし、悪ければ去っていくだけの話です。

このコミュニティ運営については別記事で詳しく解説します。

自分の趣味がお金にならないか調べる

趣味がお金になるなんて…と思っていませんか?

そんなことはありません。世の中には趣味を換金できる仕組みが数多くあります。例えば自分でアクセサリーや洋服を作る趣味を持っている場合、minne Creemaといったハンドメイド商品を売買できるサービスがあります。

スマートフォンでインスタ映えする写真を撮影する趣味を持っている場合、スナップマートという写真素材を売買できるサービスがあります。

いま挙げたのはあくまでも一例で、自分の趣味が世の中に求められているのか調べてみる行為が重要です。もしサービスがあれば、売ることを意識して在庫を増やしてみましょう。もしサービスがなかったら、自分で始めてみることも一つの換金の方法です。

異業種交流会に足を運ぶ

会社内というのは非常に小さな世界です。でも不思議と勤めている人は、その小さな世界がすべてだと思ってしまうんです。私も会社員時代はそうでした。会社という環境から一歩踏み出して、社外の勉強会に参加することも、視野を広げ、新たな人脈を構築するための有効な方法です。

例えば、サイボウズが開催している「サイボウズ式 Meetup」など、新しい働き方を考える勉強会は定期的に開催されています。

他にもPeatixという日本最大級のイベント管理サービスを覗いてみると、さまざまな勉強会やセミナーが開催されていることに驚くはずです。有料・無料問わず、自分の興味ある分野の勉強会があれば積極的に参加してみましょう。会社内とは違ったタイプの人間と出会えるはずです。なおかつ同じテーマに関心を持っている参加者が集まっているので、一緒に学びを得ていく体験によって、その関係性は深くなっていきます。

このように、現在、副業禁止であったとしても、できることは数多くあります。一歩踏み出すか、その場に留まるかはあなたの意欲と行動力次第です。

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